2021.04.09
先生から
まずは、以下のひらがなで書かれた文を、15秒から20秒ほどの速さで読んでみてください。
こんちには あと いっしうゅかんほど で てすとしうゅかん ですね。
みさなんは かていがくゅしう は できて いすまか?
もし いつも もだんいぶん の みちまがい が
おおい ひとは いちど こまきこう の たいけんじぎゅょう に
さんかして みせまんか? どたなでも おがきる に どうぞ!
気づかれた方もいらっしゃると思いますが、
この文章は、大部分のことばで真ん中のもじの順番をでたらめに作っています。
「ひっかかった!」という方、落ち込まないでください。
これは文の読み取り能力の高い人ほどハマりやすいワナなのです。
このような現象を「タイポグリセミア」と言います。
文章読解能力があれば、間違えて並んだ文字も脳で修正して認識できるのです。
なぜ学年最初のテストが始まる前の今、この話をしたかというと、
テスト本番でいわゆる「ミス」といわれる経験をしている時に、
タイポグリセミアと同じような経験をしている可能性があるからです。
ということです。
定期テストには、いたるところに思い込みのワナが仕掛けられています。
英語で具体的な例をあげます。
まずは中1。
「私はケンです。」英文は、
I am Ken. となります。
続けて、
「私は生徒です。」
を英文で書かせると多くの生徒が、
I am student. と書いてしまいます。
正しくは、
I am a student.
a=1人の を入れないといけないところを書き忘れしてしまうのです。
日本語ではわざわざ「1人の・1つの」と表す習慣がないのに加えて、
前問がaを使わない固有名詞の文になっていることから
「流れに任せたミス」が出るのです。
中2中3のミスの多くが「時制のミス」です。
これも日本語に慣れた日本人の典型的なミスです。
英語は過去の文を表す時に、明確な動詞の変化があり、だいたい文頭の近くに配置しますが、
日本語は「来る→来た」のように1字2字が変わるだけで、しかも文末に配置します。
時間制限のあるテストでは、最後までしっかり読まずミスをするケースが多くなりがちです。