こんにちは。
明倫ゼミナール私立中学受験科です。
今月の「明倫ジャーナル」では、
昔から感染症と闘ってきたという文章を載せました。
オンラインの授業で、
教室に来る機会がなくて読んでいない人がいるかもしれませんね。
ここに載せましたので、
勉強の合い間に読んでください。
大昔から感染症と闘っていました その1
世界中に広がっている新型コロナウイルス感染症ですが、
こうした感染症と人類との闘いは、
ずっと昔からありました。
奈良時代に完成した歴史書である『日本書紀』には、
疫病のせいで人口が半減したという記載があるそうです。
疫病というのは、伝染病のことなのですが、
細菌やウイルスの存在など知らないわけですから、
荒ぶる神の怒りや霊のたたりが原因と当時の人々は考えていました。
全国に国分寺・国分尼寺(こくぶんにじ)を建立(こんりゅう・寺院の堂や塔を建てること)して、
仏教の力で国を治めようとした聖武(しょうむ)天皇を歴史で習いますが、
その聖武天皇の頃には、天然痘(てんねんとう)という伝染病が流行しました。
そういった背景も仏教に救いを求めた理由の一つです。
平安時代末期の権力者であった平清盛(たいらのきよもり)も
水が蒸発するくらいの高熱が出て亡くなっており、
熱帯性のマラリアにかかったのではないかという説があります。
『平家物語』には、清盛の熱を下げるために水をかけたところ、
水が黒い煙になって蒸発したと書かれています。
マラリアは、ハマダラカという蚊に刺されることで感染します。
宋(そう・当時の中国)との貿易によって、
平氏は大きな利益を得たのですが、
宋からハマダラカも一緒に運んでしまったのかもしれません。