こんにちは。
明倫ゼミナール私立中学受験科です。
イギリスEU離脱関係第3弾です。
今回は北アイルランドやスコットランドへの影響です。
日本では「イギリス」と言っていますが、
「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」が正式な国名です。
グレートブリテン島にあるイングランド、スコットランド、ウェールズ、
アイルランド島北東部の北アイルランドの連合王国です。
(以下は長くややこしいので「イギリス」を使います)
1937年にアイルランドがイギリスから独立しました。
イギリスによる統治を望んだ人々もいたので、
北アイルランドはイギリスに残ることになりました。
背景として宗教的な問題がありました。
イギリスはキリスト教プロテスタントですが、
アイルランドはキリスト教カトリックでした。
アイルランドにいたプロテスタントやイギリスとの関係で富を得た人などは、
イギリスに残ることを希望したのです。
そのため国境をめぐっての争いが起きました。
1998年ベルファスト合意により
北アイルランド住民は、イギリスとアイルランドの両方の市民権を持つことができました。
しかし、イギリスがEUを離脱することで、両地域の自由な行き来ができなくなって、
うまくまとまっていた関係が壊れないだろうかという心配があります。
もう一つスコットランドの問題があります。
2014年にスコットランドはイギリスからの独立を問う住民投票を行いました。
結果は、反対の人の方が多かったのですが、
約45%の人々が賛成に投じました。
スコットランドが独立を求める理由としては、
北海油田の利権をイギリス政府が持っていることが挙げられています。
スコットランドが独立し、
北海油田がスコットランドのものになると、
スコットランドに莫大な利益が入ることになるからです。
また、スコットランドは、EU加盟国への輸出が多いので、
EU離脱による不利益が心配されています。
そこで、再びイギリスからの独立を求める声が大きくなるという予想があります。