こんにちは。
明倫ゼミナール私立中学受験科です。
種子島の西にある馬毛島(まげしま)が、
アメリカ軍の空母艦載機離着陸訓練の移転候補地になっており、
日本政府が160億円で買収契約を結んだという報道がありました。
自習に来ていた6年生に話したところ、
「馬毛島?聞いたことある」という声。
国語の授業で、
馬毛島でトノサマバッタが大量発生して、
それが他へ移動して農作物を食い荒らすことが心配されたが、
大発生は1年で終わり、
昆虫研究者としては研究対象がすぐに姿を消してしまった点は残念だったという文章でしたね。
空母艦載機離着陸訓練とは、
陸上の滑走路を空母の滑走路に見立てて、
空母に積まれる航空機が、
離着陸の訓練をすることです。
滑走路の短い空母で正確に離着陸するには、
高い技術が必要ですから、
定期的な訓練が必要なのでそうです。
港で停泊中の空母で艦載機が離着陸することは禁止されているので、
空母を出港させなければなりませんが、
それには費用も時間もかかります。
そのため、陸上訓練場が必要だということです。
神奈川県厚木基地で訓練が行われていたのですが、
騒音問題から、硫黄島で行われるようになりました。
硫黄島は、東京都に属していますが、
小笠原諸島にあります。
地図で場所を確認してみてください。
ずいぶん遠いことがわかりますよ。
対して、馬毛島は種子島のすぐ西です。
米軍空母艦載機の拠点である岩国(山口県)から
硫黄島へ行くよりもずっと近くになります。
米軍としては負担が軽くなります。
馬毛島は無人島ですが、
空母艦載機離着陸訓練の移転にともない、
種子島の住民からは、
「戦争の訓練場が近くにできるのか」という不安と、
「米軍施設の建設や人口増による経済効果がある」と期待する声があります。