こんにちは。
明倫ゼミナール私立中学受験科です。
「来訪神 仮面・仮装の神々」が、無形文化遺産に登録されました。
無形文化遺産というのは、貴重な生態系や自然景観を登録する世界自然遺産や
歴史的価値の高い建造物などを登録する世界文化遺産という区分には該当しないが、
伝統的な音楽や踊り、習慣、技術など、形はないが継承すべき遺産としてユネスコが登録するものです。
日本では、歌舞伎や能楽、和食など、21件が登録されています。
今回、登録された「来訪神 仮面・仮装の神々」は、秋田のナマハゲなど10件の行事が登録されていますが、
すでに無形文化遺産に登録されていた鹿児島県の「甑島(こしきじま)のトシドン」も含まれています。
秋田のナマハゲを単独で登録しようと試みたようなのですが、トシドンとの類似性を指摘されて、
単独での登録が難しく、同じグループとして追加登録するということにしたようです。
「来訪神」というのは、神様が人間の住む場所にやって来て、幸福をもたらすという信仰です。
「客人(まれびと)」とも言って、やって来た神様を歓迎する風習というものはあちこちに残っています。
お正月もその一つですね。
玄関に門松や松飾りを飾るのも神様を迎えるためですね。
トシドンは、このお正月の風習をよく遺しています。
鬼のような面をつけた神様が、大みそかの夜、子どものいる家にやって来て、
1年をよく過ごした子どもには、歳餅(としもち)を背中に負わせて、
四つんばいで親のいるところまで運ばせます。
歳餅をもらうことで、1年無事に過ごす(1歳年をとることができる)と言われています。
この歳餅は、鏡餅のように丸く平たい餅です。
そして、歳餅は「お年玉」のことですね。
お年玉は、「お年魂」で、1年間無事に過ごせる命を神様からいただくという信仰だとも言われます。
ですから、「もともとは硬貨だったものが、物価が上がって、お札に変わった」ということではないです。
やってみよう!
1 ナマハゲのような伝統行事を次の世代に伝えていくためには心配な点もあります。
それは、どのようなことだと思いますか。簡潔に答えなさい。
2 ナマハゲのような伝統行事が有名になり、観光客が増えることが予想されます。
その地域の人にとって、観光客が増えることが良い点と悪い点の両方が考えられます。
その良い点と悪い点をそれぞれ書きなさい。
3 無形文化遺産の登録を行う国連の機関を選びなさい。
ア ユーチューブ イ ユネスコ ウ ユニバーサル エ ユニセフ
4 観光立国をめざす日本は、観光庁を設置していますが、どこに所属しているか選びなさい。
ア 経済産業省 イ 文部科学省 ウ 外務省 エ 国土交通省 オ 総務省
5 多くの観光客が来ることで、その地域の住民の生活に支障が生じることがあります。
このことを観光□□と言います。□□にあてはまる言葉を漢字で書きなさい。
答え
1 (例)過疎化・少子化や生活様式の変化などで、行事を継承する人が少なくなっている点。
2 (例)良い点:宿泊・飲食・お土産販売などの観光収入が増える点。
悪い点:観光客が行事の進行の妨げとなったり、雰囲気を壊してしまったりする点。
3 イ
4 エ
5 公害