こんにちは。
明倫ゼミナール私立中学受験科です。
明倫ゼミナールの夏季合宿には、「子どもの自立を促して、受験に対して当事者意識を持たせる」という目的があります。
ただ、この「自立」ということの説明が難しいですね。
10歳前後の子どもに「自立」を求めるというのはどういうことなのか?
一人で生活させるということではないだろうということはわかるけれどもと。
日曜ゼミ入試実戦コースの教材に、河合隼雄の「こころの処方箋」が出題文になっていました。
この出題文に「自立ということを依存と反対である、と単純に考え、依存をなくしてゆくことによって自立を達成しようとするのは、間違ったやり方である」とありました。
あるお母さんが、幼稚園に通う子どもの自立を促そうと、できる限り子どもを離すようにして育てたところ、言葉の障害が生じてしまい、甘えさせるにしたところ、急激に言葉が進歩した事例を挙げていました。
中学受験生は、幼稚園児ではありませんが、これと似たところがあると思います。
子どもの受験に関心を持ち、子どもの勉強に関わって(教えなくても、見守る、一緒に考えるなどで)いくことで、落ち着いて勉強に取り組めて、成績も向上します。
「試験を受けるのはあなただから」と難解な問題に一人で取り組ませてしまうと、そこから逃げてしまったり、小学生は「正解=良いこと、間違い=悪いこと」という価値判断から、できないことを隠してしまったりもします。
河合隼雄氏は、「自立ということは、依存を排除することではなく、必要な依存を受けいれ、自分がどれほど依存しているかを自覚し、感謝していること」と述べています。
中学受験の勉強は、ご家庭の協力なしには成し得ません。
その協力を理解できれば、「自分だけ勉強させられて」といった考えがなくなるのではないでしょうか。
明倫ゼミナールの夏季合宿は、「子どもが判断できることは判断させる」「子どものやれることは子どもにやらせる」ようにします。
この経験が、「受験勉強をやらされているのでなく、やりやすいようにしてもらっていた」という気づきにつながると思います。
また、自分でやれたという自信から、さらにもう一歩進もうというやる気につながると思います。
小学生にとっての「自立」は、自分の力で生活することではなく、自分でやれることは自分でやり、手伝ってもらうところは手伝ってもらって、それを「励み」に思えることと言えるでしょうか。
「自分一人でやっていることではない!だから、簡単にあきらめない!!」
今年も合宿参加者の精神的な成長を大いに期待しています!!