こんにちは。
明倫ゼミナール私立中学受験科です。
今年も世界遺産に、日本からの登録がありました。
世界遺産に関する出題は、私立中学受験においては定番ですね。
ご存知のように、今回、世界遺産として登録されたのは、
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」です。
江戸時代のキリスト教禁教期間の信仰を伝える12の遺産で構成されています。
受験科生は、5年生後期に歴史を学習します。
「島原・天草一揆」を学習しますが、その舞台となった「原城跡」も遺産群の1つです。
キリスト教徒を見つけ出すために用いられた「絵踏み(踏絵)」も習います。
その他にも、江戸幕府は「宗門改役(しゅうもんあらためやく)」を置いて、キリスト教徒を取り締まったり、
庶民がキリシタンでなく、寺の檀家であることを証明させる「寺請(てらうけ)制度」を取り入れたりしました。
最近は、檀那寺・檀家の制度を知らない子どもが増え、寺請制度の説明がしにくくなりました。
観光地としても有名な長崎の国宝大浦天主堂も遺産群の1つです。
大浦天主堂は、幕末に建設されたカトリックの教会です。
完成したばかりの教会に、もの珍しさから、日本人が見学に行きました。
その中に潜伏キリシタンもおり、フランスから来た宣教師に、自分たちがキリスト教徒であることを告白しました。
宣教師もいない中で、キリスト教の信仰が続いたことに、宣教師は大いに驚き、宣教師は長崎各地を訪ね歩いたそうです。
その後、ローマ教皇に報告すると、「東洋の奇跡」と感激したそうです。
この特異な信仰形態が世界文化遺産として評価されました。
大浦天主堂の建設着工は1864年ですから、まだキリスト教を禁止していた頃です。
では、なぜ、キリスト教禁教下の日本で、教会が建設されたのでしょうか?
1858年に日米修好通商条約を締結しました。
その後、イギリス、フランス、オランダ、ロシアなどとも同様の条約を結びました。
開港地には、外国人居留地(外国人の居住を許可した場所)が設置され、信仰の自由が認められていました。
ですから、開港地である長崎には、キリスト教の教会が建設されたのです。
世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成遺産の端島炭坑(軍艦島)や旧グラバー住宅は長崎県にあります。
江戸時代には、唯一の海外貿易の場所でした。
長崎は、原爆の被害を受けた地でもあります。
地理分野では、長崎県の真珠の養殖やびわやじゃがいもの生産、熊本県の阿蘇山のカルデラ、八代平野のい草など。
いろいろ関連出題ができそうですね。