こんにちは。
今月は、昨年同様に、時事問題対策を扱いたいと思います。
今日の新聞に、「世界の記憶」に、『朝鮮通信使』と『上野三碑(こうずけさんぴ)』の登録が決まったというニュースがありましたので、まず最初は、『世界の記憶』に関して。
「世界の記憶」は、ユネスコの事業の一つで、世界的に重要な記録の保存や認識を高める目的があります。
2年に1回、1か国から2件までの申請を受け付けています。
2011年に、「山本作兵衛炭坑記録画・記録文書」、2013年、「御堂関白記」「慶長遣欧使節団関係資料」、2015年、「舞鶴への生還(シベリア抑留等日本人の本国引き揚げの記録)」「東寺百合文書」が登録されています。
朝鮮通信使は、江戸時代に、将軍の代替わりごとに朝鮮から派遣される使節です。
5年生は、ちょうど先週、習いましたね。
使節一行は、朝鮮半島から対馬に渡り、九州から瀬戸内海を通って、大阪に入り、京都を経て現在の滋賀県に入ります。
岡山県牛窓は、朝鮮通信使の立ち寄り港であったことから、「唐子踊り」が現在に続く伝統芸能になっています。
滋賀県では、中山道があるのですが、中山道は通らず、中山道と並ぶようにある道を通ります。
中山道よりも琵琶湖の近くで、近江八幡、安土、彦根を通ります。
これは、関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康が京都に凱旋(がいせん:戦いに勝って帰ること)する時に通った道です。
この道は、朝鮮人街道と呼ばれています。
これは特別な道で、大名行列は、朝鮮人街道を通ることが許されなかったそうです。
朝鮮通信使一行は、その後、中山道・東海道を通って江戸に行きました。
朝鮮通信使一行は、約500人にもなり、その道中の警備、一行の饗応(きょうおう:おもてなし)に、多くの人と費用が使われたそうです。
外国から使節が来ることで、幕府の権威が高まると考え、盛大に行ったようです。
上野三碑は、山上碑(やまのうえひ)、多胡碑(たごひ)、金井沢碑(かないざわひ)の3つの石碑で、飛鳥・奈良時代につくられたとされています。
山上碑は、日本語の語順で漢字が並べられているそうです。
大陸の文化が、日本にとけ込んできたことを示していますね。
中国の政治制度や漢字文化、仏教などが、日本に伝わっただけでなく、渡来人の移動とともに東国にも伝わり、民間に広がったことを示しています。 (参考 高崎市HP)
やってみよう!
1 「世界の記憶」は、国連の何と言う専門機関の事業の一つであるか答えなさい。
2 1の本部がある国を答えなさい。
3 「世界の記憶」に、「御堂関白記」が登録されている。これは、平安時代の権力者の日記である。その権力者とは誰か答えなさい。
4 「世界の記憶」に、「慶長遣欧使節関係資料」が登録されている。慶長遣欧使節は、江戸時代初期に仙台藩からスペイン、ローマに派遣した使節である。派遣した仙台藩初代藩主を答えなさい。
5 「世界の記憶」に、「舞鶴への生還(シベリア抑留等日本人の本国引き揚げの記録」が登録されている。シベリアは当時の何と言う国の領土か答えなさい。
6 江戸時代に朝鮮通信使が来る前は、朝鮮半島と日本の関係は悪化していた。その原因となった出来事を答えなさい。
7 朝鮮通信使は、朝鮮半島の釜山(プサン)を出航し、対馬に立ち寄るが、この対馬を治めていた領主が、日本と朝鮮の関係修復に活躍したとされる。この領主は何と言う氏族か答えなさい。
8 朝鮮通信使が通った「朝鮮人街道」は、戦国時代末期から江戸時代にかけて活躍した人物が合戦に勝利したことに関係している。その人物を答えなさい。
9 「世界の記憶」に登録された「上野三碑」。「上野」とは、現在の都道府県で言うとどこのことか答えなさい。
10 「上野三碑」は、大陸から伝わった文化が、飛鳥時代や奈良時代には、関東地方にも広く伝わったことを示しているとされる。この時代に大陸から文化・技術を伝えた人々を何と言うか漢字3文字で書きなさい。
答え
1 ユネスコ (UNESCO 国連教育科学文化機関)
2 フランス 都市はパリ
3 藤原道長
4 伊達政宗 使節は支倉常長(はせくらつねなが)
5 ソビエト連邦(ソ連 ソビエト社会主義共和国連邦)
6 (豊臣秀吉の)朝鮮出兵 (文禄・慶長の役)
7 宗(宗氏)
8 徳川家康
9 群馬県
10 渡来人