こんにちは。
愛知県の私立中学校や県外難関中学校の受験をお考えの小学生とそのご家庭をサポートする、明倫ゼミナール私立中学受験科です。
明倫ゼミナール受験科生にお配りしている「受験科ジャーナル」の今月号に、今春の南山中学校男子部国語入試問題の出題文について取り上げました。
朱川湊人(しゅかわみなと)の「いっぺんさん」です。
受験生にも人気のある作品でした。
何と、入試の最中に泣きながら問題に取り組んでいた受験生がいるほど!
「受験科ジャーナル」にも書いた程度に少しだけ加えたあらすじを紹介すると、
一度だけ願いをかなえてくれる神様いっぺんさん。
二人の少年は、いっぺんさんのまつられている祠を探しに行き、何とか見つけることができます。
願ごとをする前に祠のそばを掘り返し、白いきれいな石が出てきたら、いっぺんさんが願いを聞いてくれる証。
しーちゃんは石を見つけたが、うっちん(私)は見つけられなかった。
せっかく石を見つけたのに、病気でしーちゃんは死んでしまう。
すっかり元気をなくしたうっちんを励ますために家族でキャンプに出掛けるが、弟が大けがをしてしまう。
大けがをした弟を救ったのは?
しーちゃんと感動的な再会!
うっちんにとって「いっぺんさん」は、「願いをいっぺん(1回)かなえてくれる」という意味ではなかった!?
「いっぺんさん」という文庫本ですが、短編集のため、読書が嫌いな人も取っ付きやすいですよ。
さて、朱川湊人の作品を南山中学校の女子部でも出題文として使ったと思います。
もう5年以上前になると思います。
「トカビの夜」という作品で、外国人であるために差別された家族の次男の死に関する不思議な話です。
死んでもなお、うとましく思われる次男というだけでは、救いのない話になってしまいますが、次男は満足して旅立ったのかもしれません。
こちらは「花まんま」という文庫本に収められています。
「花まんま」は朱川湊人が直木賞を受賞した作品で、これも読みやすいと思います。
「まんま」は、ごはんの幼児語ですね。
これも不思議な話であり、「生きてほしい」という思いを述べた感動的な話ですよ。
「読んでみよう!」と思いましたか?
読書感想文を書く一番のコツは、「自分が読みたかった本」ということではないかと思います。
思い入れが強ければ、その思いを伝えようとする気持ちも強くなって、良い感想文が書けると思いますよ。