こんにちは。東海中学、南山中学など県内難関中学と県外難関中学の受験をお考えの小学生とご家庭をサポートする、明倫ゼミナール私立中学受験科です。
冬期講座・新年度を前に、明倫生でない方からも多くのご相談を承っております。
前回のブログで「中学受験の準備はいつから始めるべきなのか?」というご相談を取り上げました。
それに関連することで、「中学受験の勉強は早ければ早いほどよいのか?」ということについてお話ししたいと思います。
私立中受験の準備をするには、ある程度の時間は必要ですから、「中学受験をしようと思ったけれど、今からではもう間に合わない」ということは、確かにあり得ます。
では、反対に、低学年のうちから受験勉強をさせた方がよいのか、というと必ずしもそうでもありません。
前回のブログで「受験勉強としては4年生からスタートされる方が多い」と書きました。これは、私立中学に合格するための、点数を取るための受験勉強には、「早すぎる」場合があるからです。
心と体の成長という視点で小学生を見ると、1学年の差はとても大きなものです。間近でお子様の成長を見守っているご家族の方はよくご存知ですね。 子育てのうえで、勉強に限らず、去年できなかったことが、今年は難なくできるようになっていると気づく場面は多いことと思います。
つまり、時期を待たなければやれないことというものがあるのです、この発達段階を無視して、先の学年で習うべき内容を前倒しして教えても、効果が出ないどころか悪影響を及ぼすこともあります。
暗記分野はまだよいのですが、思考力を要する分野になると、子どもの理解力が追いつかず、困った子どもは、答えを覚えるだけ、方法(式など)を覚えるだけの勉強に走りがちです。 まだ小学校の低学年では、自分を客観視することがなかなかできませんから、考え方を理解していなくても、「答えが合っているからできた!」と思い込んでしまいます。まわりの大人も「できているからよい」と思ってしまうかもしれません。しかし、この状態が続くと「同じ考え方でできるはずなのに、問題が少し変わるとできない」という応用力の乏しいタイプになってしまいます。
では、小学校の低学年にどのようなことをさせるべきなのでしょうか?
小学2、3年生であれば、教科書でも図鑑でも、本人が興味を持っていることが書いてある本でも良いのですが、「自分で調べる」という行為を通して、活字に慣れ、読解力をつけたり、漢字・計算練習を通して、「継続する力」を養ったりしていくことが大切だと思います。つまり、本格的な受験勉強の前に、勉強する素地を作っておくのです。
また、小学2、3年生くらいから、知的好奇心が高まります。これは、いいかえると、勉強したり、自分で調べたりすることによって知ることのできる事柄に対する、探究心のことです。少し前まで図鑑の写真や絵しか見ていなかったのに、お子様がいつのまにか説明の文章を読むようになったということがありませんか?
この時期には、「できる」「できない」にこだわるよりも、多くの情報に触れる機会をつくってあげることが大切です。 もちろん、一口に『情報』といっても、子どもが興味を持てるものでなければ意味がないわけですが。
「知る喜び」を持ち続けた子どもは、受験勉強にも意欲的に取り組みます。「学ぶ楽しさ」「成長する喜び」を知った子どものほうが、受験勉強の途中で息切れもせず、燃え尽き症候群にもなりません。 せっかく家族で出かけたのに、窓の外に関心を持たずに、ゲームの画面に集中している姿は感心しません。
明倫ゼミナールでは、小学3年生のコースがあります。
このコースは、「受験準備コース」にあたりますが、受験勉強の前倒しではなく、授業の聴き方・ノートの取り方から始まって、来年受験勉強に取り組むにあたって必要な読解力・語彙力・計算力・算数的思考などを養っていきます。夏休みや冬休みには、理科実験や日本地理などを取り入れて、理科や社会の興味・関心も喚起します。
授業では、「教え込む」のではなく、先生と「いっしょに考える」というスタイルを採用し、「勉強のやり方」をじっくり親身になって指導しています。 中学受験では、子どもの発達に応じた指導が必要です。今回、お話ししたことについても、それがぴったり時期の合うお子様、もっと先の段階まで進んでいるお子様、もう少し時期を待った方がよいお子様など、それぞれ状況が異なっていることと思います。
お子様の様子をよく見て、その時期にもっとも合った指導を実践していきましょう!!